こんにちは!あなたの今すぐをかなえるイングリッシュ24です。
子供に英会話を習わせたい、子供をバイリンガルに育てたいとお考えですか?ちょっと待って下さい。バイリンガル育成の前に、少しだけ知っておかないと危険なこともあります。子供の早期英語教育が叫ばれている昨今ですが、バイリンガルが実際のところどうやってできるものなのか、その時子供にはどのような負荷がかかるのか、といったことが分かっていないと、子供がかわいそうな結果になってしまうかもしれません。私たちの大半は大人になってから英語を勉強し、子供の頃にやっておけば……とか、帰国子女と呼ばれるような人を見て単純に羨ましい、と思ったりします。ですが、小さい子供のうちに2つの言語を同じくらい使いこなせるように学習するというのは、実はとても大変なことです。バイリンガル教育は必ずしも良い結果ばかりではないので、何が大事かを知ってどれを子供に与えるかは決断が必要になります。この記事では、バイリンガル教育の事実についてまとめ、子供が英語を学ぶ実践方法について詳しく解説します。
フィリピンに在住5年、語学学校勤務3年。ここで数百人の留学生やオンライン英会話の受講生の指導をさせていただきながら、彼らと向き合ってきた中で得た知識と経験を元に、最新の科学論文に基づいた情報をお伝えします。
バイリンガルとは何か?バイリンガルにも色々ある
バイリンガルとはなんでしょうか?色々な定義があります。2つの言語をある程度話せる人でもバイリンガルとは言わなかったり、バイリンガルにも種類があることを知らなかったりなど様々です。イングリッシュ24ではバイリンガルを3つのレベルに分けて定義しています。以下の3つです。
2. 読み書きできるレベル:英語と日本語の両方で「読み・書き」ができる状態
3. 文化が理解できるレベル:英語と日本語の両方の文化を理解し、楽しむことができる状態
1の会話ができるレベルの状態は比較的身につけやすく、その中にもレベルがありますが、一般的に日常英会話と呼ばれるレベルのコミュニケーションができます。2のレベルは読み書きなのですが、日本人の英語学習者の方はリーディング・ライティングを敵視するほど嫌い、英語でコミュニケーションさえ取れればオッケーと考える方が多いです。ですが、読み書きレベルとは厳密に言えば学習言語能力のことです。学習言語能力とは分かりやすく言えば、その言葉を使って学校の授業(英語ではなく他の科目、数学や化学など)を理解できる力のことです。教科書の内容を読み解く読解力などが必要になります。そして、3が一般にバイリンガルと呼ばれる人のイメージに最も近いと思われますが、英語と日本語の両方の文化を理解し、両方の言語をネイティブのように使いこなせる状態を指します。
多くの人はバイリンガルというとすぐに3の人を想像しますが、このような人は滅多にいません。3カ国語以上を話す人のことをマルチリンガルと呼びますが、3カ国以上の言語で文化まで完全に理解できるような状態はとてつもなく困難です。大体の場合は1の状態の言語を複数持っていると考えられます。
なぜバイリンガルを種類分けするのか?できることの違い
バイリンガルになぜレベルがあって、より上のレベルにどんな意味があるのかということに疑問を感じる方もいるかもしれません。レベル分けについて重要なことは、それぞれ各レベルのバイリンガルだとどんなことができるのか、ということです。英語で生活に困らない程度に話せればいいのか、仕事などでも使えるようにしたいのか、できることがレベルによって変わってきます。
英語の例だけで考えると分かりづらいので、日本語で考えてみます。日本語は国語という教科で勉強をするわけですが、国語は漢字やことわざみたいな知識を覚えれば点数が上がり続けるような教科ではありません。国語力には漢字やことわざといった知識の暗記だけではなく、それらの知識から文章の文脈を理解したり、より抽象的な概念を理解したり説明したり、逆に抽象的なものを分かりやすく具体的にしたりする力が必要です。いわゆる読解力と呼ばれるものや、抽象・具体の変換を行うような作業は同じ言語能力でもより高度なレベルであって、単に会話ができるだけでなく、読み書きで概念を学べるようになり、学んだ概念や理論を応用することが仕事のレベルになります。
AIの発達が注目される一方で、日本人の読解力の低下については徐々に問題視され始めています。読解力は現時点ではAIではできないことの1つだそうなので、読解力がある人であれば仕事では大変有利になると言われていますが、今は英語はもちろんのこと、母国語である日本語でも読解力のない、読み書きができない子供が増えていると言います。試しに簡単な読解力を試す問題の例を1問だけ挙げてみます。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
セルロースは( )と形が違う。
1)デンプン (2)アミラーゼ (3)グルコース (4)酵素
この問題の答えは最後のまとめに載せておきます。筆者の正直な感想としては、この問題を間違ってしまうとしたら、英語以前にまず国語の勉強をしたほうが良いと思います。この問題はけっこう有名で、一般の正答率が出ているのですが、中学生の正答率はなんとたったの37.9%、高校生の正答率は64.6%だったそうです。日本の将来が少し不安になる数値です。一概には言えませんが、バイリンガル以前にまず母国語である日本語のレベルがコミュニケーションレベルで止まってしまい、読み書きや読解、抽象・具体といった概念の扱いができない人が相当多いようなのです。
私のフィリピンでの経験でも、とても英語ができる14歳の中学生の子が留学に来ていたので、大変優秀だなと感心していたのですが、日本語でアンケートを書いてもらったときに、漢字はおろか日本語としての文脈などがメチャクチャでビックリしてしまったことがあります。その時は親御さんと一緒に来られていたので、面談させていただき、母国語能力やバイリンガルレベルについてはご説明致させていただきました。
AIには読解力がないことや、仕事で収入を上げるにはより抽象的な概念の問題解決能力が必要なことは分かっています。日本語にしても英語にしても、あるいはその両方のバイリンガルにしても、どのレベルがどういったことができるのかは知っておいたほうが良いです。
思考のための言語を大切に、英語はどのレベルにするか決断
もし自分のことだったり、あるいは子供でも高校生以上になったり、年齢的にも20歳を過ぎたりしていれば、必要な第2言語としての英語能力を選んで身につければ良いと思いますが、小さいお子さんについてどうするべきかというのは、親御さんとしては悩ましいところかもしれません。
まず考えなければいけないことは、基本的に母国語は日本語であるということです。そして母国語としての日本語能力、つまりは読解力や抽象的な問題解決ができる、思考するための言語が日本語ですね。イングリッシュ24では、この母国語の力を育てることを最優先にされることをオススメします。その上で、もし英語でも母国語と同じくらいの読解力や抽象的な概念の理解力を子供に身につけさせたいという場合、学校や塾や英会話スクール、その全てと家族も含めた家庭において、皆さんそれなりの覚悟が必要になってきます。学校単独や家庭単独ではかなり難しいことになるはずです。ですから、英語をどのレベルの言語として子供に持たせたいのか、ということを、まず親が理解して考えることが必要になってきます。
ちなみに、もしコミュニケーションとして英語があれば十分ということであれば、実はそれは、大人になった後でもいくらでも身に付けることができます。生活に困らない英語、旅行に困らない程度の英語、といったものについては、後から勉強してものにしている方はたくさんいます。子供にとって有利と考えられるのは音の部分で、発音などを含めた音の獲得は子供のほうが習得が早いと思いますが、幼い頃にある程度身につけたものでも、その後あまり英語にふれない期間が一定期間以上空いてしまうと、あっさりと忘れてしまうことも多々あります。
まずはこういったバイリンガルに関する知識を皆さんに知っていただければ、今後の様々な選択肢を選べるようになっていきます。
バイリンガル教育の問題点は母国語と英語、両方中途半端になること
バイリンガル教育は、子供の将来設計まで含めてそれなりに重い決断になってきます。子供の時間も無限ではありませんし、子供のうちにやらせたいことはたくさんあるでしょう。親御さんも大変でしょうが、決断をしなければいけません。絶対に避けたいのは、日本語と英語のどちらでも読み書きができず、一切読解力などが身につかない状態に陥ってしまうことです。小さい頃に言葉が混ざると、子供によっては混乱してしまったり、よく分からないので嫌いになってしまったりもします。また、子供は勝手に語学を習得できると考えがちですが、実際はそんなに簡単なわけではなく、考えてみれば当たり前のことになりますが、日本語1つでさえ高度なレベルに高めるにはそれなりに時間がかかることを、2つの言語で同時進行で教育するというバイリンガル教育というのはかなり凄いことになります。子供の脳にもワーキングメモリがあり、処理できることにも限界がありますので、バイリンガル教育については学校でサポートはできても、責任を持てるのは親御さんだけでしょう。こういったことをまずは知って、そして知識のあるサポート体制の取れる英会話サービスをご利用されたほうが、本当の意味で子供のためになるかと思います。
それから、どちらかと言えば英語の方を母国語にしたいと考えるかたもいらっしゃいます。その場合は、日本には住まないという前提で将来を考えていただくか、日本でも外資系の企業一択というような働き方になる覚悟は必要になるでしょう。日本という国は当然ですが日本語がある国ですから、その上でプラスアルファの英語を考えていただくのはとても良いことですが、同時に日本語のレベルは読解力や抽象的な概念の理解力が必要であるということを前提としたほうが良いです。
果たしてバイリンガルは育成できるものなのか?
ここまで、バイリンガルのレベルの違い、読解力の大切さ、親としての決断などについてみてきました。漠然と英語が話せれば良いという考えも決して悪いわけではなく、むしろそこからしか始められないのも事実ですが、最終的にはバイリンガルについて色々知った上での決断をしていきましょう。ここからは、そんな子供のための英会話において、イングリッシュ24が重要だと思っていることを交えながら、どのような英会話レッスンをしていくことができるか、その実践方法について解説します。
自己肯定感アップ、英語を好きになる、英会話学習の習慣化に注力しよう
こちらの記事、オンライン英会話の超初心者に必要なたった1つのことでも言及していますが、日本におけるそもそもの教育の課題は、子供の自己肯定感が低いことにあります。自己肯定感を高めることができれば、チャレンジする行動は増えて、様々な困難にも立ち向かうことができ、たとえ失敗したとしてそれで人生の全てが終わってしまうような捉え方もしなくなります。ですからまずは健全な精神の育成を重視することが英会話の前にできる最大の準備です。イングリッシュ24では、自己肯定感につながるためのオンライン英会話として優秀なフィリピン人講師を採用し、子供が自分でもできるということを実感していただくことから、英会話のレッスンを始めています。
また分割したスモールゴールの達成を掲げていますので、小さな成功体験を積み重ねることができますので、そこから自信を得ると同時に英会話を自体を嫌いにはならず、むしろ好きになることができます。学校教育よりも早く、早期にオンライン英会話を子供に受けさせる最大のメリットは、この英語嫌いを回避して楽しいレッスン体験ができることにあります。
そしてもう1つ、ある程度レッスンで場慣れして外国人の講師との会話を継続することができるようになっていれば、日本にいながらにしても英会話学習の習慣を持つことができるようになり、特別なストレスを感じるような詰め込みの勉強をしなくとも、自然と英語のコミュニケーションに親しんで、楽しく学ぶことが当たり前のようにできるようになります。
まずは、バイリンガル育成がどうというよりも、このように自己肯定感、英会話を好きになる、英会話学習が習慣になる、というちょっとしたことから始めることで、母国語としての日本語を中心としつつも将来的に役立つ、使える英語を身に付けることができるようになります。
より高度なバイリンガル育成には、学校選びやレッスンの使い方を考えてみよう
日本にもインターナショナルスクールというものが存在していると思いますが、フィリピンにも多国籍な生徒に英語で授業を行うインターナショナルスクールが存在します。筆者も、子供をフィリピンの小学校、中学校、高校などに通わせたいという相談をうけることがあります。
これは必ずしも子供の教育のためではなく、どちらかというと親の仕事の都合でフィリピンで生活する場合というのが多いですが、日本では教育としてこういった授業を受けさせるということもあるでしょう。学校の授業は英語で行い、家庭では日本語で会話をするというのは可能性のある1つの方法ではありますが、これも絶対に望んだ通りの結果が出るとは限りません。フィリピンでは、そもそも学校の授業は全て英語で行われますが、これはどちらかというと母国語であるタガログ語に存在しない言葉の概念なども多いため、それらは英語でしか説明のしようがないという実情も反映されていると思います。ですが、日本語であればあらゆる学術用語や概念も日本語説明が可能だと思いますので、無理に授業を英語で受ける必要性はないでしょう。フィリピン人の読解力などにういては、全体平均はあまり高くはないので、これは英語でもタガログ語でも深い思考をするのが難しいという現実があります。抽象的な概念を取り扱う言語能力は日本語で持っておいたほうが良い可能性は否定できませんので、日本語で考える能力を優先しながら、それでも英語にどっぷりと浸かるような環境を子供の頃から用意したい場合、それこそオンライン英会話をうまく使って、部分的に英語オンリーでコミュニケーションをとる時間を確保するのでも十分です。学校の授業の全てを英語で行う場合は母国語を英語にするような感覚になるかと思いますが、オンライン英会話などで英語オンリーの状況も一部作り出していくという教育方法も機能します。
子供に何を身につけさせたいか絞り込もう
英語のコミュニケーション能力であれば、必ずしも早期教育で行わなくても、後からいくらでも英語で話す力は身につけることが可能です。ただし、学校教育や受験といったものの影響により英語アレルギーのような状態になってしまうと、なかなか英会話能力が上達するのも難しくなってしまいます。
早期にしておきたいことを選ぶ上では、国や学校などに任せきりにしないポイントを絞って、自分でもしっかりと理解した上で、子供にどういうものを与えたいかを考えておくと良いでしょう。前述の通りですが、イングリッシュ24では自己肯定感、英語を好きになること、英会話の学習習慣の3つをお子様にご提供したいと思っておりますが、なんとしてでも学習言語としての英語や、文化レベルの英語をお子様に身につけさせたい場合には、別途ご相談になると思います。そこまでのバイリンガル育成に関しては、浅い知識やちょっとやってみようという考えですと、かえってお子様の負担になったり、混乱させてしまうようなケースも考えられますので、十分な環境整備から考えるほうが良いかと思います。イングリッシュ24では、このようなケースは個別でのご相談、また留学やフィリピンのインターナショナルスクールのご紹介なども可能です。もしお悩みの方はぜひご連絡ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?バイリンガルは子供の頃に自然と2つの言語を身につけて、あまり苦労せずに英語を習得できていると考える傾向がありますが、むしろ逆で親御さん含め非常に悩む方も多く、こうすれば必ずバイリンガルになれるというようなことがあるわけでもありません。そのあたりを踏まえた上で筆者は、うまく英会話に自然と向き合えるような環境を整えることが重要であると考えています。それではまとめます。
バイリンガルについて知っておくべきこと
・高度なレベルの言語能力を身につけるのはそれなりに大変で、日本語でも読解力は低下傾向にある。
・親は、子供が深い思考を行う言語をどれにするのか、英語についてはどのレベルを子供に身につけさせたいかを考える必要がある。
・子供の早期英語教育を考える場合、将来住む国や地域、子供の就職の可能性まで含めた将来設計もある程度考えておいた方が良い。
子供への早期英語教育でできること
・学校の授業が英語で行われるような環境を用意して、高度な英語の言語能力の育成にチャレンジすることもできる。ただし、学校と家庭の双方で十分な知識と理解、そして取り組みが必要。
・まったくやらなくても、大人になって英語を身につけることはできる。仕事などの都合で相談したい場合など、イングリッシュ24でも承っております。
さて最後ですが、読解力の問題の答えは1のデンプンですね。この問題は大人でも、場合によっては政治家といった方でも普通に間違える方もいるとのことです。英語力は実は日本語力によって習得が早まったり、日本語力によって有効に使えるようになったりもしますので、軸として母国語はしっかりと育てていただきたいと思います。
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