こんにちは!English24(イングリッシュ24)です。
日本の英語教育がおかしいと言われることがあります。たびたび議論の対象となる日本の英語教育ですが、どこがおかしいと言われているのか?どこをどう変えていくのが望ましいのか?今後大きく変わっていくであろう英語教育ですが、今おかしいと言われているポイントについて解説します。
圧倒的な嫌われものである文法、現場の先生の問題、そして読み書きか会話か、これらの点を取り上げつつ、そもそも全員が英会話をする必要があるのかも含めて見ていきます。
?この記事で分かること
・日本の英語教育はおかしいのか?
・日本の英語教育が抱えている課題
この記事を書いている筆者は、フィリピン在住5年、語学学校勤務3年の英会話講師兼アドバイザーです。数百人の留学生やオンライン英会話の受講生の指導をさせていただきながら、彼らと向き合ってきた中で得た知識と経験を元に、最新の科学論文に基づいた根拠を交えてお伝えします。
日本の英語教育がおかしいと言われる3つの理由
日本で行われている英語教育はおかしいという批判が多く、擁護は少ないように感じます。日本の英語教育がおかしいと言われるのは、どういった理由からなのでしょうか?
英語教育と言っても、何を重視しているかで評価は変わります。会話が大事なのか?読み書きが大事なのか?テストや資格が大事なのか?就職が目的なのか、英語で仕事をすることが目的なのか?
人によって英語学習の目的も様々ですので、1つの英語教育の指針が全員にとって正しいとは限りません。となれば、いかなる英語教育であっても批判はあるでしょう。
現状の日本の英語教育で批判の対象となっているのは、会話ができないということです。ただ、元々会話ができるようにという指針で教育が行われていたかどうか、あるいは元々は違うとしても今後はどうなるのか?こういった点を整理すると、英語教育がおかしいと感じるポイントも整理されていくと思います。
この記事では以下の3つのポイントを取り上げます。
・日本の学校では、英語の先生が英語を話せない
・日本の英語教育では、元々は読み書きを重視していた
これらの点について深堀りして解説します。
日本の英語教育では、中高6年間を文法中心で学習する
現状の日本の英語教育で、最も多くの人が感じるおかしなポイントは、文法中心の教育だと思います。
従来の日本の英語教育では、中学高校と6年間かけて英文法の学習をびっちりと行うのが普通でした。政府発表では2020年現在、英語教育の早期化、会話重視への内容の見直しなどが行われている最中だと思いますが、どうなるかはまだ未知数です。現場の先生、評価の出し方、生徒の興味など、かなり多くの課題があります。
特に生徒の興味という部分ですが、全ての子供に一律で英会話を習得させる必要性が本当にあるのかどうか?この点はよく考えるべきです。筆者の立場としては、日本の英語教育の全体的な方針としては会話重視の方が良いと思いますが、大人世代の同意と協力がない限りかなり厳しいと考えています。
子供が一律で英会話ができるのが当たり前の状況を求めるのであれば、社会全体でそれが普通という認識に変えていかないといけません。大人世代が本気の危機感で、子供に英会話を学ばせると考えているかどうかが問題になってきます。
英会話ができなければできなくてもいい、という人が増えれば増えるほど、学校で会話重視の英語教育にしたところで大した意味はありません。優先順位や社会的な評価の低い英会話であれば、結局いらないし使わないのです。
今ある英会話への認識は多くの場合、旅行したりちょっと会話を楽しみたいという話が中心で、その優先順位は仕事や他の勉強に比べれば低く、できなけれ切り捨てることが可能です。そして、別にできなくてもいいという認識のものを義務教育で全員に学ばせるのは、その必要もないですし、はっきり言って無理なのです。
日本の文法中心の英語教育はやはりおかしいと思いますが、そこを変えても学校の英語教育だけで英会話ができるようになるわけではありません。なぜ日本全体で会話重視の英語教育にするのかという理由がなければ、どんな英語教育も形だけになります。日本の英語教育がおかしいポイントが文法なのかどうかの答えはこれから出てくるでしょう。
日本の学校では、英語の先生が英語を話せない
日本で政府の方針により英語教育の内容を変えたとしても、現場が対応できるかどうかはまた別の話です。日本にいる英語の教員は、すでに今までの文法中心の教育と受験システムにどっぷり浸かっている人が多いと思いますが、急に英会話をやりましょうと言われて果たして可能でしょうか?
もし難しいとすれば、まず先生に最低限の英会話の経験が必要だと思いますし、会話指導ができる先生の基準も必要になるかもしれません。つまり、文法メインの英語教育を変えるには、先に先生の基準を変えないとおかしいわけです。
日本の英語教育がおかしいという違和感があるのは、今の先生が英語を話せないことはもちろんですが、それ以上に現場の先生を総入れ替えするくらいの覚悟と基準が設けられていなかったり、先生がすぐに英会話に対応すべく、まず自分が学習しているかどうか、といったこともポイントでしょう。
政府の指針が変わった時に、まず自分が英会話をしなければと思い即座に行動を始めた日本の英語教員はどれくらいいるのでしょうか?筆者も人に教える立場の仕事をしていますが、そうなることが決まった時点で6ヶ月間、プライベートゼロで英会話の習得に全ての時間を費やしました。
もちろん行動している方はたくさんいらっしゃるでしょうが、ちょっとしたデータとなるものがありますのでご紹介します。
こちらの内容を要約すると、京都府教育委員会が中学校英語教員74人を対象にTOEICテストを実施したところ、730点以上を取得した教員は16人で、500点に満たなかった教員は14人、最低点は280点だったそうです。
さすがにアウト、という人が多そうな内容です。2017年の話なので、今の実態はおそらくこの内容とそこまで変わっていないと思います。
TOEICができていも英会話ができるとは限りませんが、重点的にやっていたはずの読み書きですらこの結果となると、いよいよ日本の英語教育はおかしい、という批判も避けられません。
まずは先生という立場の人が変えられる部分を変えていくのが大事だと思います。
日本の英語教育では、元々は読み書きを重視していた
元々、日本の英語教育が目指したものは英会話ではなく、読み書きを覚えて英語の書物などを読みこなすようにする、というのが目標だったので、従来の英語教育が完全におかしいとは限らない、という意見があります。まったくダメかと言われれば、必ずしもそうではない、と筆者も思います。
しかし、誰もが英字新聞などを読めるかと言わればそうではないですし、もっと平易な文章として英語のブログなどは読めるのかというと、これも厳しいでしょう。結局のところ読み書きにおいても、実用というところとはかけ離れているように思います。
インターネットで英語の情報にアクセスし、英語の音楽でもYoutubeでもいいので普通に楽しめるという人はかなり少ないでしょう。読み書きにしても、ブログも読めなければ英作文も厳しいかもしれません。
実用性を重視し、英会話中心の英語教育に変えたとしても、今実際に使われている英語の媒体を使って学習しない限り、教科書通りのマニュアル会話を暗記するだけで終わってしまいかねません。
学習内容が読み書きであれ会話であれ、そしていくら実践的な内容だったとしても、使わなければ使えないという現実にぶつかるような気がします。使うとは話すということですので、1人1人の子供がどれだけ学校の教室で英語で会話をするのか、が問題です。教室の中に、実際に世界で使われている英会話の現場を再現していかないと、本当の意味で英会話ができる状況は遠いです。
従来の英語教育が読み書き中心であることは、文法に偏りすぎとはいえ、ある種壮大な英語の基礎学習であったと思えば、まったくダメでもなくなります。むしろ基礎学習を削って、本当に学校で英会話を教えることができるでしょうか?使える英語を学ぶための英語教育ですが、まだまだおかしい状況が続くかもしれません。
日本の英語教育のように文法学習をしつつも、高い英語力で英会話ができる国の1つにフィンランドがあります。非常に日本の参考になるフィンランドの英語教育については、こちらの記事にまとめていますのでご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
学校の教育方針が会話重視になったらといって、子供たち全員をバイリンガルに育てるのでもない限り、文法学習もゼロにはできません。日本の英語教育がおかしい部分はあると思いながらも、結局のところ急に変われるものではないかもしれません。
オンライン英会話は、日本が抱える問題の多くを解決する可能性を持っていると思いますので、引き続き情報を発信していきたいと思います。
それではまとめます。
日本の英語教育がおかしいと言われる3つの理由
英会話をするのであれば、実際に外国人と英語で話す練習をするのが一番です。この部分をしっかり提供するために今後も注力していきます。
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