こんにちは!English24(イングリッシュ24)です。
英会話の上達には、英語の語順感覚を身につけるがとても大事です。語順感覚が分からないと日本語の語順感覚で返り読みをしてしまい、それが元で日本語訳からも離れられません。英会話のスピードや会話の流暢さのレベルを上げるために、英会話のための語順感覚について解説していきます。
?この記事で分かること
・英会話では語順感覚が大事な理由、スピードアップして英語を英語で理解する
・英会話の語順感覚を磨くための3つの練習方法
この記事を書いている筆者は、フィリピン在住5年、語学学校勤務3年の英会話講師兼アドバイザーです。数百人の留学生やオンライン英会話の受講生の指導をさせていただきながら、彼らと向き合ってきた中で得た知識と経験を元に、最新の科学論文に基づいた根拠を交えてお伝えします。
英会話では語順感覚が大事な理由
英会話をスムーズに行うためには、英語の語順感覚を掴むことが大事です。語順感覚を掴むことができないと、いつまでも日本語を軸に英語を考えることになり、英語を英語で理解し、自然なスピードでスムーズに英会話を行うことが難しくなってしまいます。語順感覚は、日本語を離れて英語を英語で理解するために大事なものなのです。
ですが、英語と日本語はこの語順がまったく異なるため、意識的に練習しないとなかなか語順感覚を掴むことができません。日本語の語順感覚に引きづられていると、一般的に返り読みと呼ばれる問題が起こります。返り読みというのは、英語を一度最後まで読んだ後に後ろの方から前へと日本語訳していく読み方です。
返り読みをすれば日本語として自然な形になるので、初心者が日本語訳を頼りに英会話の学習しているときは、多くの人が無意識にこのやり方をしています。
この文章を日本語訳する時、「私は、彼は野球が好きだと思います」という訳し方になるのが返り読みです。返り読みではなく頭から訳す方法で考えると、「私は思う、彼は好きだ、野球を」というような訳し方で理解していきます。
返り読みは日本語訳としては自然になりますが、英会話のためにはどこかで必ず卒業しなければいけません。まずは、返り読みの状態で英会話をしていくことの具体的な問題点について解説します。
返り読みで英会話の語順が掴めない人の2つの問題
返り読みは日本語の語順による理解なので、英語の語順感覚を掴むことができません。この状態では、英会話において次の2つの問題が起こります。
・常に和訳していて英語を英語で理解できない
返り読みの状態では、英会話の文章を最後まで確認し、それから日本語として自然な和訳を後ろから前へ戻りながら考えて理解するので、英会話として自然なスピードにはなりません。
また、返り読みの状態=和訳が前提になっているので、英語を英語で理解する状態にする練習も上達していかないことになってしまいます。
この2つの問題について、それぞれ深掘りして解説します。
英会話の語順で理解しないとスピードが上がらない
英会話の語順感覚を意識して身につけていかないと、返り読みをしている限りスピードを早くすることはできません。英会話のスピードといっても、初心者の方に関して言えば、はじめはゆっくり話せばいいだけのことですが、いずれ英会話として自然なコミュニケーションにするためにはそれなりのスピードが大事になってきます。
英会話のコミュニケーションとして自然なスピードがどのくらいなのかについては、WPM(Word Per Minutes)という数値で具体的に理解できます。これは、1分あたりに理解して読んだり聞いたり話したりという処理をしているワード数が、何ワードかというのを示す言葉です。あなたがもし1分間に100単語読めるなら、リーディングのスピードはWPM100と言い表すことができます。
まず例としてテストについて考えると、TOEICなどほとんどの英語の試験で一定のスコアを取ろうとすると、最低でも大体WPM150くらいで読んだり聞いたり話したりできないといけないように設計されています。
これは、そもそもネイティブのWPMが150〜200かそれ以上あることが分かっているので、そういったスピードの会話についていけるかどうかを試すために、試験でもこの基準が用いられているということです。
実際の英会話では試験のスピードより速いことはもちろんありますので、英会話として自然なコミュニケーションのスピードは、最低でもWPM150以上ということになります。
この基準をクリアするには返り読みをしていては不可能です。試験が目的でないとしても、初心者の方が目標にしやすいものとして、旅行などのレストランやショッピングのシチュエーションでも、英会話にはやはりそれなりのスピード感が必要になってきます。映画を字幕なしで見るというレベルになってくると、もちろん返り読みはまったく通じません。
常に和訳してしまい英語を英語で理解できない
英会話は日本語通訳とか和訳のテストというわけではないので、英語と日本語を行ったり来たりするのではなく、最終的には英語を英語だけで理解する状態にしていったほうが良いです。
返り読みはそれ自体が和訳を前提としてしまっているので、英語の語順感覚を身につけるのは難しく、英語を英語で理解する妨げにもなってしまうのが問題です。
英語を英語で理解するというのは、聞いたことのある言葉かもしれませんが、初心者の方にはそれがどういう状態かピンとこないかもしれません。これは、人間の脳が言語をどう処理しているのか、という専門的な話と関わってきますので、ここでザッとですが説明しておきます。
日本語の漢字のような文字は表意文字と呼ばれ、英語のアルファベットのような文字は表音文字と呼ばれます。この2つは、実はそれぞれの文字や言葉を処理するための脳の部位が違うらしいということが判明しています。
日本語を話している時と英語を話している時で、活性化する脳の部位が違うということが研究から分かっているので、英語を処理する脳の部位のことを英語脳と呼び、日本語脳を使わず英語を英語脳だけで処理している状態にするのが理想の英会話だということです。
英語と日本語を行ったり来たりすると、この2つの脳の部位を同時に動かしていることになり、ものすごく疲れます。プロの通訳の方でも非常に大変な負荷のかかる作業と言われているので、一般的に英会話を楽しみたいという方にとっては相当大変なことです。
なので最初は難しく感じるとしても、最終的には英語を英語で理解するほうが脳にとっては実は楽です。英語の時は英語だけでやり取りすることは、それが英会話にとって大切でもあり、そもそも作業としてもそっちのほうが楽なのです。
英会話のために語順感覚を磨く3つの方法
英会話のために実際に語順感覚を磨いていく方法は、レベルや段階に応じて様々あります。なるべく早く返り読みを直して英語の語順感覚に慣れていき、英会話のためのリスニングやスピーキングで効果を出すためには、以下の3つを組み合わせて試していくのがオススメです。
・スラッシュリーディング
・音読
一度文法を理解してから、スラッシュリーディングで語順を強く意識して、音読で仕上げていくイメージになります。英会話と並行してこれらのトレーニングを行い、最終的にレベルが上がっていけば、音読だけで十分英語学習を進めていけるようになります。
初心者の方、特にまったくのゼロレベルの方はまず文法、続いてスラッシュリーディングで語順感覚を掴む練習をしながら、徐々にステップアップしていきましょう。
それぞれの方法について概要を解説していきます。
英会話のための文法による語順感覚の理解
文法の理解は語順の理解そのものです。英会話のための文法においては、言葉の並び順を意識した文法学習をしましょう。
文法と聞くと、それだけで拒否反応を示す方もいますが、文法は英会話における大事な要素の1つです。ただし、文法を理解したらすぐ話せるようになるわけではないところが、嫌われるポイントなのかもしれません。
文法は語順の理解でありインプットなので、理解した後にはもちろんアウトプットする練習も合わせて行っていかないと、英会話につなげていくことはできません。他にも英会話を構成する要素は色々ありますが、文法のインプットもアウトプットのための準備なので、しっかりと理解しておきましょう。
英会話のための英文法について、詳しくはこちらの記事で考え方をまとめていますのでぜひ参考にしてください。
スラッシュリーディングで英語の語順感覚を掴む
英会話をはじめる時に、いくら語順感覚が大事とはいえいきなり日本語訳を全部捨てるのが難しい初心者の方は、まずスラッシュリーディングという方法を使っていきましょう。日本語訳はするけれども返り読みはしない、という方法です。例えば以下のような例文があります。
このような例文を「私は、彼女がたくさんのことを知っているので、とても賢いと思います」と訳すのが返り読みですね。スラッシュリーディングを使って英会話の語順感覚を磨くためには、自分が瞬時に理解できる意味の塊ごとにスラッシュ(/)を入れて、頭から訳していくようにします。
こんな感じで区切っていき、「私は思う / 彼女は賢い / なぜなら彼女は知っている / たくさんのことを」このような形で、頭から順番に理解するようにしましょう。スラッシュリーディングを用いながら英会話のための語順感覚が身についていけば、徐々に慣れていき、少しづつスピードを上げていくこともできるようになります。
英語を英語のまま理解した音読をする
英会話の初心者レベルを超えていくためのステップとして、語順を意識した音読をすることで、スピードを一定に保ちつつ頭から英語で理解する訓練をしていきましょう。
音読をする時にはただ漫然と読むのではなく、頭から順番に返り読みせずに意味を理解し、かつ正しい発音でスラスラと流暢に、声に出して読めるようにすることを意識したほうが何倍も上達します。
英語を英語だけで、英語の語順通りに理解する感覚が掴めれば、一気に英語のレベルが上がっていきます。さらに正しい発音とリズムや抑揚で、つっかえることなくキレイに読むことができれば、音読練習から得られる効果はとても高まります。
これができる頃には無意識のうちに返り読みはしなくなっていて、気がつけば英会話の中級者という状態になっていることでしょう。
逆に、もし音読をしていて全然意味が頭に入ってこないとしたら、その状態で音読し続けるのはあまり効率が良くないです。その場合はいったんスラッシュリーディングに戻って再度練習するか、テキストのレベルが合っていない可能性も考慮して、音読をする教材を選ぶことも重要になります。
英会話のための語順感覚を磨くことができる英語の音読について、より詳しいやり方の説明はこちらの記事をぜひご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
英会話は語順感覚がとても大事で、意識して練習しないと返り読みや日本語訳の癖が抜けず、なかなか上達することができません。語順が大事と分かれば文法の必要性も分かり、スラッシュリーディングを挟んで、最終的にはクオリティの高い音読で練習できるようになります。ぜひ英会話のための語順感覚を磨くように意識していきましょう。
それではまとめます。
英会話では語順感覚が大事な理由
英会話のために語順感覚を磨く3つの方法
英会話の基礎の中で、文法を中心とした重要な要素は語順感覚です。ぜひこれを身につけるために、意識的な文法学習や音読練習などをしていきましょう。スラッシュリーディングは語順感覚を重点的に鍛えるにはオススメです。慣れるまでの橋渡しとして、うまく活用してください。
コメント
[…] この中で特に、1~3については一般的に馴染みがある英語学習の基本です。単語を覚えるのが苦手な方についてはこちらの記事、記憶力を高める3つの方法、復習を最適化!らくらく暗記できる分散学習のやり方、を参考にしてみてください。文法についてはこちらの記事、まずはこの1つだけ!初心者向け英文法、ここから徐々にはじめて下さい。英語の語順通りに理解するためにはこちらの記事、英語の返り読みを直す2つのステップををもとにスラッシュリーディングを使いながら改善していって下さい。発音については、イングリッシュ24のレッスンの中でガッチリとトレーニングしていただきますのでご心配には及びません。4と5については少し補足説明していきます。 […]
[…] また、特にスムーズに上手く音読をしようと意識すると、自然と言葉の意味の切れ目や文章の構造を理解しないと、どこで呼吸を入れるかなどが分からないので、内容をしっかり理解しようとするようになります。上手い音読と内容に対する理解度には相関関係があるのです。分かりやすく言い換えるとすれば、音読が上手い人は読解力が高く、また読解力が高い人ほど音読も上手い傾向にあります。こちらの記事、英語の返り読みを直す2つのステップで言及したスラッシュリーディングですが、こういった理解がスラッシュを入れるまでもなく自然とできていないと音読はそもそも難しいので、スラッシュリーディングを卒業した次のステップであるスムーズな音読は意味理解の上で非常に大事なトレーニングになってくるのです。上手く音読するとは、意味の切れ目や文章構造にそって滑らかに声に出して読むということであり、それが途切れ途切れにならないようにスムーズにできることが理解できているということにつながっていきます。 […]
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