こんにちは!あなたの今すぐをかなえるイングリッシュ24です。
あなたは英語学習において音読をしていますか?音読は英会話をしていくためにはベストな訓練方法の1つです。イングリッシュ24のトレーニングの柱の1つとして、全ての生徒さんにオススメしています。
ある調査によると、複数の外国人からみた日本人英語学習者の改善ポイントとして「音読の絶対量の不足」はトップ10に入っており、これほど優れた学習方法をどうして日本人は疎かにしてしまうのか、実にもったいない状況です。ちなみにこの調査では、1位にあげられたのは「声が小さい」でした。英会話をしたい日本人は非常にたくさんいるのですが、その大半が声が小さい上に音読をしないというのが現実のようです。
今回は音読の何がどう優れているのかを徹底解説して、さらに発展した効率の良い音読の仕方もご紹介していきます。
音読が優れている3つのポイント
音読は英語学習の中でも非常に重要なウェイトを占めるトレーニングであり、欠かすことのできない存在です。ですが、皆さんの中には「音読だけでそんなに変わるの?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。はっきり申し上げますと、音読はあらゆる英語のトレーニング方法の中で1、2を争うほど重要で効果の高いトレーニング方法です。特に初心者の方の場合は、魔法のような、奇跡のような、といった謎のトレーニングや、自分に合った、というキーワードで単に自分が納得できる方法などを探してしまいがちですが、そのようなものはありません。
補足ですが、科学的に証明されている最も効果がない学習方法の1つが「自分にあった勉強方法」です。そのようなものを探す時間があったら、いち早く音読やシャドーイングをしたほうがはるかに英語力がアップします。
さて話がそれましたが、音読が具体的にどう優れているのか、以下音読の優れている3つのポイントです。
・音読をすると理解が深まる
・音読には自己参照効果がある
それではこの3つのポイントについて解説していきます。
音読は記憶力をアップさせる
音読をするということは、口を動かして声に出すことになり、同時に自分の耳で聞くことも含まれます。黙読をしている場合と音読をしている場合で、自分の理解度や記憶への定着率に差があるようには思えないかもしれませんが、口を動かすという運動機能の刺激や耳に入ってくる音の刺激などが与える影響はかなり大きなものがあります。「かなり大きな影響ってどれくらい?」と思われる方もいるでしょう。なんと、音読した場合としなかった場合を比べると、記憶への定着率は20〜30%も変わってくると言われています。
記憶に関して言えばさらに効果を高める音読の方法がありますが、その中でも非常に単純で取り入れやすい方法の1つがいつもより大きな声を出して音読することです。通常の声と大きな声、それぞれの音読を比較した場合では大きな声のほうがより記憶に定着するということが分かっています。さらにもっと効果的な方法として、歌うという方法もあります。歌ってリズムにのせていくことで、より一層記憶を助けてくれるという実験データが出ているのです。リズムで覚える単語といえば、初心者必見!中学英語からやりなおすためのテキスト4選こちらの記事でご紹介したキクタンなどはまさにそのものですから、圧倒的に記憶できるのでオススメです。
このように音読は、口を動かして運動機能を刺激したり、耳に入ってくる声が感覚器官を刺激したりすることで、記憶に多大な影響を与えます。数多くの英語の例文が記憶に残り自分の体になじむほどに浸透していくことで、英語力が大きく伸びて飛躍することができますので、音読はその決定的な助けになります。
音読をすると理解が深まる
声に出してよむということは、文字を目で追っていくよりも、しっかり読む必要があります。ザッと、とか、サラっと読むということは、音読では難しくなります。さっと目を通しておくということが黙読ではできても、軽くところどころ飛ばしながら音読ということはできないので、そもそも物理的に音読では文章を深く読まざるをえないことになります。この深く読むということから、音読をすると内容に対する理解度がアップします。
また、特にスムーズに上手く音読をしようと意識すると、自然と言葉の意味の切れ目や文章の構造を理解しないと、どこで呼吸を入れるかなどが分からないので、内容をしっかり理解しようとするようになります。上手い音読と内容に対する理解度には相関関係があるのです。分かりやすく言い換えるとすれば、音読が上手い人は読解力が高く、また読解力が高い人ほど音読も上手い傾向にあります。こちらの記事、英語の返り読みを直す2つのステップで言及したスラッシュリーディングですが、こういった理解がスラッシュを入れるまでもなく自然とできていないと音読はそもそも難しいので、スラッシュリーディングを卒業した次のステップであるスムーズな音読は意味理解の上で非常に大事なトレーニングになってくるのです。上手く音読するとは、意味の切れ目や文章構造にそって滑らかに声に出して読むということであり、それが途切れ途切れにならないようにスムーズにできることが理解できているということにつながっていきます。
音読には自己参照効果がある
音読して声に出して読むと、人は自分が文字を声に出して読んでいるという自分の行動自体を認識するようになります。この認識、自分がそういう行動をとっているということが自己参照効果を生み出すきっかけになります。
こちらの記事、実はみんなやっていた!効果絶大!独り言英会話の記事でもご紹介しましたが、自己参照効果とは物事を自分ごととして捉えるという効果です。わざわざ声に出して読んでいるのだから、この情報は何か大事なことだ、自分に関係があることだ、という具合に、音読によって読まれている情報を自分と関連づけることができるようになるのです。もちろん内容の理解度や記憶への定着率はこの効果によっても上昇します。
音読をさらに有効活用する2つの方法
このように、音読とは非常に基本的な効果の高い学習方法です。すでにご紹介した通り、大きな声を出すだけでもその効果は高まりますので、冒頭で指摘した日本人英語学習者にありがちなポイント、「声が小さい」「音読をしない」というのはその真逆になってしまいます。このことは音読というトレーニングを行っていく上で非常に重要なことですので、何となくの理解ではなく、音読すること、声を出すことがいかに重要であるかは完全に理解しておきましょう。
ここからはその上で、数多くある音読の効果を高める様々な音読のバリエーションの中で、今回は特にレッスンでも自習でも、どちらにも取り入れることができる効果の高い音読のバリエーションをご紹介します。
パーソナライズ音読
パーソナライズ音読とは、音読する文章の中に出てくる主語を自分に置き換えて読むという方法です。例えばこのような文章があったとします。
ここで、ケイトという登場人物を自分に置き換えますます。
このようにして、文章の主語を自分に置き換えて読むのがパーソナライズ音読という方法です。兵庫大学の調査によると、この方法で音読した場合には文法や内容に対する理解度が10%もアップしたそうです。音読自体にそもそも自己参照効果があることは説明したましたが、それをさらに高めることができるのがこのパーソナライズ音読であると言って良いでしょう。
この自己参照効果のように、学習内容を自分事として捉えて積極的に学ぶように取り組む学習スタンスのことは、広くはアクティブラーニングという言葉で説明されています。アクティブラーニングというのは昨今注目を集めているキーワードの1つだと思いますが、簡単にいうと受け身の姿勢ではなく、自分から積極的に学ぶということです。ですが現実問題としては、ただ単に「自分のことだと思って積極的に勉強してくださいね」といってもほとんどの人がそうはならないわけです。音読にはそれ自体に自己参照効果があり、さらにパーソナライズ音読をすればより一層自分ごととして捉えるようになるので、学習を自然とアクティブラーニング化するための決定的なやり方であると言えます。
話しかけるつもり音読
この話しかけるつもり音読は、音読の様々なやり方について調べて効果の違いを検証した、カナダのモントリオール大学の研究によって判明した音読方法の1つです。実験では4つの文章の読み方について調べました。それは、1.黙読、2.唇は動かすが声に出さない、3.普通に音読、4.人に向かって音読、という4種類の読み方です。この方法で読んだ後に単語テストをしたところ、4の人に向かって音読が圧勝という結果だったようです。
なぜこのような結果になったのかというと、どうやら人に向かって音読する時、人の脳の社会的活動を司る部位を刺激することができるため、記憶への定着率などが段違いに上がるということのようです。コミュニケーションの要素を加える、というのは学習効率を飛躍的にアップさせる1つのポイントになりますが、話しかけるつもり音読は脳の社会的活動に関わる領域を活性化させることができるので、人とのつながり、コミュニケーション要素を持つ音読ということになり、記憶の定着率も圧倒的に優れているというわけです。
イングリッシュ24では、レッスンの中で音読をします。レッスン中に先生に音読を聞いてもらうことで、もちろん発音チェックなど教える側のアクションもたくさんありますが、受講している生徒からすると自動的にこの話しかけるつもり音読(実際に話しかける音読)になっているので、内容が定着しやすいレッスン設計になっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?私見ですが、音読に対しては小中学校で先生に指名された生徒が嫌々ながら立たされて読まされて、それで読み間違えたりするとクラスメイトから笑われる、といったややネガティブなイメージを持っている日本人が多いような気がします。もしそのようなイメージを持ってしまっているのであれば、音読をやる意味や必要性をしっかりと捉え直した方が良いです。もしあなたが過去に音読でネガティブな体験をしたり、そのようなイメージをもってしまっているとしても、本来の音読はそれとはまったく違うものなのです。
さて、圧倒的な効果があり、やらない理由がないと言っても過言ではない音読ですが、その基本的な効果と読み方のバリエーションについてまとめます。
・音読をすると物理的にしっかり読むことになり理解が深まる。上手く読むには意味が分かっていなければならず、上手い音読の練習は読解力を高める。
・音読は、文章を読んでいる自分を認識する自己参照効果を産み出し、内容を自分事として捉えるようになり、さらに理解や記憶を強化する。
・誰か人に向かって話かける音読はコミュニケーションに関わる要素をもたらし、さらにパフォーマンスの高い音読をすることができる(イングリッシュ24ではレッスンの中で講師に向かって音読をする)。
音読は真剣に取り組むことによってその真価を発揮しますので、講師と一緒の時はもちろんですが自習の時にも本気で音読するように意識しましょう。早く読むようにスピードを意識して負荷をかけるなど、音読のマンネリ化を防いで継続的に取り組み安くする工夫も重要です。ただ漠然と読むのではなくどういう読み方をすべきかを徹底的に自分の中に落とし込んで下さい。音読の経験はいずれ必ず、揺るぎない基礎力の土台となってあなたの英語学習を助けてくれます。
コメント
[…] 英語のトレーニングには色々な種類がありますが、その中でもただ黙ってテキストを黙読するより、声に出したり、手を動かして書いたり、ちょっとした運動を挟み込んだりというように、なるべく多くの感覚器官を使って学習すると効率が上がります。これはマルチモーダルと呼ばれており、実際に多くの研究によるエビデンスが出ています。こちらの記事、英語の音読、徹底解剖!3つの効果と2つの応用方法でご紹介した通り、音読は非常に優れたトレーニング方法ですが、複数の感覚器官を刺激しながら学習するという点はまさにそのものですね。自然とマルチモーダルになる音読というトレーニングが優れているのはもちろん、楽器演奏によって脳機能そのものがアップグレードされ、根本的な能力が高まるというのは非常に重要です。 […]
[…] マルチモーダル学習とは、こちらの記事、英語の音読、徹底解剖!3つの効果と2つの応用方法で解説した音読や、音楽能力が高いと英語ができる理由と、3つの活用方法でご紹介した楽器演奏のように、5感をフルに活用して行う学習のことです。Zoomの拡張機能を使えば、読む、聞く、書く、話すをオンライン上の1つのレッスンの中で複合的に組み合わせて行うことができるようになり、オンライン英会話のレッスンをマルチモーダル学習化することができるようになります。視覚的な情報を表示したり消したり、場合によっては絵を描いたりなど、あらゆる5感の刺激をレッスンから受けることができますので、Zoomを使ったレッスンはより理解しやすく、より記憶に定着しやすいことになります。 […]
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